2009/05/08

日本初のDNA鑑定結果にケチが付いたのか?

科学捜査というと決定的な事実をみせてくれるものとして、かっこ良く取り上げられる事が多いと思います。
個人的にも誤差はあるものの、高く安定した精度で一定の事実を明かにする事ができるものだと思っています。
それも高い精度が実証されている事が必要なのですけれどね。

日本初のDNA鑑定が証拠として採用された足利事件に関連して、信頼が揺らいでいるように思えます。
「科学は万能じゃない」、とかいう当たり前な事を結論として口に出してしまう思考停止な状態にならないようにしたいものです。
なぜこういう結果になったのか、その過程を検証する事が大事ではないでしょうか。

さてさてDNA鑑定自体は常にレベルアップを続けていて、90年代の技術は古すぎるという点がクローズアップされているような印象も受けます。でも技術だけの問題だったのかなぁ。精度に問題はあってもそれなりに裏付けはあったのだと思うのですよね。
報道によっては、DNA鑑定の結果に問題があった可能性と、そもそものサンプルが容疑者のものではなかったという可能性、それに捜査員などの汗が着いた可能性があったのだと指摘しています。
そもそも最初の地裁判決を報道する時にこれくらいの可能性を挙げていたら格好よかったのにね。 そういう記者もいたかもしれないけれど…。

閑話休題、捜査員や関係する職員たちのDNAがデータベースに登録されていないのか疑問なのですが、 警察庁科学警察研究所が身内の警察官から偽物のサンプルを渡されていた可能性もあるという事です。
こわい話しだなぁ。科警研の中の人がかわいそうな感じもする。
というか、かわいそうと思われて当然なくらいのショックを受けていて欲しいのだけれど…。

ただ、これよりも気になったのは容疑者のIQがかなり低いという点が明らかになってしまっている事です。
このレベルだと日常生活に不自由しない程度の認知・判断はできますが、人を疑うのは苦手なので詐欺のターゲットにされやすいところです。
暗示自体は想像力や認知度が高い方が効き易いわけで、納得させる事は少し難しいかもしれませんが、恐怖心をテコに使えば自白させる事は簡単なんじゃないでしょうかねぇ。
ひょっとすると捜査員も科警研の結論を信じて強引に捜査を進めたのかもしれません。
いずれにしても中の人たちにはショックな事でしょうね。

詐欺だって自白だって、相手の望んでいるように動くという点では同じですからねぇ。
無邪気なのか、むしろ本能的に空気を読み過ぎたかのかもしれません。こっちの方がこわいよなぁ…。

でも一番怖いのは犯人がやはり現在収監されている方なのかどうか確信が持てなくなっているという事でしょうか。
足利市近隣で似たような誘拐事件が起ったという報道もありましたしね…。 何かしらの結論は改めて出す必要があるのでしょう。

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